うた☆プリ、あんスタ、アイナナ……。
色んなアイドルジャンルを楽しんできた・現在進行形で楽しんでいる著者だが、今でもアイドルモノの中で一番好きな、忘れられない作品がある。
『少年ハリウッド』だ。
少年ハリウッドは2014年夏にアニメ一期が、翌年に二期が放送された作品である。原作は小説で、コミカライズ化もされている※1。著者はアニメしか見ていないし、視聴も一度のみ。機会があればまた見たいと思っているものの、今のところ実現できていない。なのでこれ以降先の話は頭に残っている記憶で構成されているので、一部「そんなだっけ?」みたいに思うところがあるかもしれない。まあ本編見てくれよな(へたくそなウインク)
少年ハリウッドは、思い返すとあんスタやアイナナのような「めっちゃ闇」みたいな展開やぷんぷん匂わすキャラはいなかったように思う。
10代の少年5人が、社長にスカウトされたり自分の夢のために事務所に所属することとなる。事務所の所有する劇場を活動拠点とし、アイドルとして成長する姿を描いたストーリーだ。
一見普通のアイドルモノに思えるだろう。アニメでは絶対的なライバルなんかは登場しなかったし、アイドルが生死をさまよったり人格崩壊したりしない※2。空を飛ばないしクソコラみたいに顔がいっぱい出てきたりしない※3。
どこまでも「現実の、普通の少年たち」がアイドルになっていくのだ。
当時は完全に二次元オタクだったが、三次元アイドルを好きなった今——思い返すと彼ら、むちゃくちゃ「ジャニーズJr.」感すごかった。
ジャニーズに関心をもったのが最近なので、偏見と独断での意見だが、なんかこう、「お姉ちゃんが履歴書送って~」みたいな子がいたり、「○○くんに憧れて!」みたいな子がいたり、ごちゃごちゃな感じが。
メインキャラである風見颯(カケル)は、社長にスカウトされて何となしにアイドルを目指すことになる。最初はアイドルというものがわかっていなく、歌うことに対しても羞恥心があった。
しかしグループのセンターに選ばれた時、なれなかったメンバー甘木生馬(通称:マッキー)の悔しさを見たり
かつて子役として活躍した佐伯希星(キラ)の意識の高さに触れたりして、
少しずつ"アイドル"に"なっていく"のだ。
この「その気はそこまでなかったタイプの子」が夢に向かっていく姿は、自分にとっては結構珍しかった。そしてどこまでも"リアル"であったのだ。
最初からアイドルになりたかった子、そうじゃなかった子が一緒になってひとつの夢に向かっていく。
いや~……まじで見て……。
そう、この作品はなんだかどこまでもリアルなのだ。ゲーム原作でないのでプレイヤーの女性は存在しない。成長も少しずつ。ガラガラだった劇場は、突然埋まったりはしない。メイクも最初は自分たちで。わけのわからない番組に出さされたり、握手会をしたり。少しずつファンが増えていったり。
驚くことに、アイドルの恋愛事情についての回もある。重ねて言うがこの作品にヒロインは存在しないので、ゲームでいうプレイヤーみたいな立ち位置ではないキャラクターに恋をするのだ。今までのアイドル作品ではほとんどみたことがなかったので新鮮だった。その時彼らが何を思って考えたのかも、必見である。
印象に残っているシーンがある。
街中でファンの子がカケルと出くわした時、握手をした際にファンの子はこう言った。
『気軽に握手できないくらい凄いアイドルになってほしい。そうすれば今日のこの握手がもっともっと価値のあるものになる』※4
深い……。
少ハリbotとかTwitterで調べると、結構ゴロゴロ名言が出てくる。気になった人は覗いてほしい。
そしてこの作品のテーマは「永遠」というワードがあったように思う。
実は「少年ハリウッド」というグループは、カケルたちの代は2代目なのだ。
少年ハリウッドには初代が存在していたが——色々あって解散してしまったのだ。
ちなみにそんな初代に憧れて事務所に入ったのがメンバーのひとり、富井大樹(通称:トミー)だ。
過去の映像の中で、初代たちは本当に楽しそうで、ずっとアイドルでいることに何の疑問にも思っていないように感じる。
しかしそんな初代も、解散してしまった。
「なんで解散してしまったのか」
こんな感じの言葉が、何度か出てきたような記憶がある。
そして"アイドルを選ばなかった"初代メンバーものちのちに登場する。
アイドルをやめても、その人の人生は続いて行くのだ。
そして著者が大好きな挿入歌『永遠 never ever』ではこう歌っている。※5
限りない夢 抱け
限りある時が 味方さ
エッモ………
永遠を歌いながらも、作品では永遠なんてどこにもないことを証明している。
その中で彼らは永遠を夢見るのだ……。
ちなみにBEST ALBUMには歌の上手い舞山春(シュン)のソロverが収録されている。cvが小野賢章なのでぜひ聴いてほしい。もう一度言う。cvは小野賢章だ
絵柄に好き嫌いがあったり、ぶっちゃけ「何言ってんだ」みたいなとこもあるので最初はテンポについていけないかもしれない。著者も1期はなんとなくに見ていたが、2期からは何故か1週間が待ち遠しくなるくらい、好きになっていた記憶がある。
付け足しとしてアイドル関係なしにセールスポイントを描くと、この作品は全編手描きだ。
今や3Dモデルでガシガシ躍らせるのが常なアイドルモノの中で、珍しく全編手描きだ。なので迫力がすごい。
また1話まるまる劇中劇で使うというトンデモ技もやっている。斬新。
年末年始に時間がある方、ぜひ『少年ハリウッド』を見てみないかい?!
※1 wikipedia(少年ハリウッド - Wikipedia)より
※2 アイドリッシュセブン3部とかあんさんぶるスターズに登場するキャラクターとか
※3 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレジェンドスターの伝説の音也回
※4 セリフが思い出せずこちらのブログ(「少年ハリウッド」はアイドルの教則本|肘樹|note)から引用 はてなブログで他にも少年ハリウッドに書かれたものがあるのでぜひ探してみてほしい