去年の夏ごろ——色々あって三次元何ぞこれっぽっちも興味がなかった二次元オタクは突然三次元のアイドルに関心を抱くようになった。
思うにだいたいの女子は小学生高学年~中学生くらいでジャニーズを履修する。履修して、離れる人はいつの間にか離れるし、そこで好きになればそのまま応援し続ける人もいる。そういうイメージがあった。
見事そこから外れ、友人にジャニオタがいたにも関わらず20代になるまで一切合切ジャニーズに関心がなく、もっぱら中学高校はアニメ漫画に生きていた女がそう、自分だ。
ハマった理由(なんとなく思い当たるもの)については機会があればまたいつかに書くとして、長らく二次元で生きていた人間がこの界隈(界隈?)に足を突っ込んで思ったこと、驚いたことをまとめてみた。
(注意:三次元アイドルと題にあるが、ぶっちゃけジャニーズ、それも国民的アイドルグループである)
【①生きてる】
当たり前すぎて笑っちゃうかもしれないが、そう、生きてるのである。同じ世界線にいるのすごくない?私の時計で2時28分はアイドルの時計でも2時28分なのだ。
生きてることで生放送という価値観が一変した。えっリアルタイムの推しじゃん……あっ姿勢直した……今髪型こんな感じなんだ……。
アニメは基本録画で見ていた人間なので、"生"で放送するという感覚・重要性がほとんどわからなかったが、いや~~~なんとしてでも生放送に合わせて無理くり家に帰りたくなるよね。
いま!!!推しが生でテレビ出てるの!!!えっ録画してるだろって?馬鹿言うんじゃないよ!!!!同じ時を生きたいんだよ!!!
生放送で見るのと録画を見るのではこうもテンションだったり気持ちだったりが違うのかと知った。
それと、随分前みかけた「生きてるだけで新規絵」というパワーワードに首がもげそうなくらい納得できた。供給が無限大。
現在一人暮らしの我が家のHDDは編集できないタイプなので、長時間番組は残しておきたいところだけスマホで録画しパソコンにデータを残すというとんでもなく面倒なことをしなくてはいけない(編集できるやつ買えよ)。最近は録画だけでは飽き足りず気に入ったショットはお写真もとるようにしているのだが、まあどこをとっても絵になるんだわこれが。
イッパツでぶれずにとれるほど技術が高くないので連写するのだが、いや全部かっこいいんだわ。10連ガチャもれなく全部SSRだもんこれ(※10枚連写のこと)。
生きてるってすげぇな(哲学)
【②雑誌が安い】
アニメの雑誌は基本的に野口英世1人は必ず消えていく。だがアイドルが載っているような雑誌(もちろん種類にもよる)は安い。女性誌とかテレビ誌とか、野口出したらお釣りがくる。そりゃ買うよね。吟味する間もなく気づいたら会計終わってるもん。
ただしアニメ雑誌のように、全ページ俳優さんやらタレントさんのお写真やインタビューの雑誌は野口が必要となったりする。といってもアニメ雑誌買う時も、全ページ読まないし……と思うと気づいたら雑誌が山のようにたまっていた。
【③告知が遅い】
CD発売とかライブ円盤発売の情報解禁めっちゃ遅くない?!?!アニメや声優さんもものによるけど、結構何カ月も前に発売を告知してくれるので、いついつまでにいくら用意すればいいとか、心の準備とか十分にできるのに、三次元遅くない?!
二次元イベントしたら、下手すりゃそのイベント中に「このライブの円盤出るよ~!」とか言ってくれるジャン……。半年ぐらい先でも言ってくれるジャン……。
アニメとかまだ最終話放送してないのに1話のAパートとBパートの間のCMで「DVD&Blu-rayが発売します!」とか掛け合いで紹介してくれるのに……。その時点で日付も決まってるのに……。
あと心なしかコンサートとかも最終的な当落遅くないですか……?当たる前からホテルとか遠征手段予約する癖がないのでまじでジャニオタの行動力すごすぎて敬礼しちゃう
【④CDの形態が複雑】
声優さんのCDって初回限定盤、通常盤があったら、初回盤を買えば新曲はだいたいコンプリートできることが多い気がする。というか通常盤と初回盤の違いって、「初回盤=通常盤+α」なので、もちろんジャケ写は違うけど二枚買わなくても初回盤買っときゃOK的な感じだった。気がする(最近声優さんのCDを買っていない)。DVDとかもこんな感じじゃない?
だがジャニーズ、初回盤と通常盤で内容が結構違う。イメージ「初回盤=通常盤-β+α」って感じ(伝われ)。つまり初回盤も通常盤も買わないとコンプリートできないのである。しょ、商売上手じゃん……(財布を出す動作)。
あとダウンロード配信ないよね。これは売上何枚的なアレが関係してるんだと思うけど、好きな曲だけ、持ってない曲だけダウンロードできないから、CDまるごと買う必要がある。でも慣れると色んな形態があってそれを並べることに喜びを感じてしまう……オ、オタク……。
続いては短めのがいくつか
【⑤お仕事嬉しいけど休んでほしい】
たしかにアニメでも第二期とか映画とか嬉しいけど、こう「でも休んで?!?!」って思っちゃうのは三次元ならではだな……と思った……。でもドラマとか映画とか決まったときに嬉しさすごい……。
【⑥朝の情報番組チェック】
めざましとかZIPのことワイドショー(WS)ってくくりなのかってことも初めて知ったよ……。
SNS「今日のコンサート取材入った!明日の朝WSチェック!」
当初の私「日本語……?!」
何気なく昔は朝の情報番組とか見てたから、取材が入った次の日チャンネルポチポチかえながら映像流れるの待つなんてこと、初めてしたよ……朝起きるのしんどい
【⑦成長がみえる】
①の生きてるとも似ているが……
昔のCDを聴いた私「?!声が?!?!?!若い?!?!?!?!?」
すごい……成長が……みえる……みえるぞ……!
若い声のCD音源ばっかり聴いてるので、最近のコンサートやライブでの”今の声”で聴くとオア……となる。
【⑧ジャニーズ、専用のオンラインショップがない】
ジャニーズって勝手に専用のオンラインショップがあるんだと思ってた……。
みんなそこで注文してるのかと思ったら、楽天とかamazonとか、タワレコTSUTAYA……アッそういう感じなんだ……(※めっちゃ検索した)
絶対もうかると思ったんだけどみんなそこで買うとスタッフ追いつかないのか……あと一手に引き受けないことで協賛とか関係とか色々あるんかな……とか真剣に考えた
いまのところジャニショにまだ行ったことが無いのだが(田舎育ち)、基本的にお写真と聞いたので(学校の写真販売みたいな)……。
行きたいけどこわい……未知の領域……。
あと店舗増やして……トレーディングじゃなく推しの写真が手に入るのに……アニメイトとは言わないから、らしんばんとかとらのあなくらいの多さでお店配置して……。
【⑨入所祝い】
いや本当に最初「入所祝い」がわけわからなかった。
何を祝っているのか……と思ったら「事務所に入った日」を祝っていた……。
誕生日・グループ結成日・デビュー日まではウンウンと頷いていたけど、そ、そこも祝うのか……とちょっとびっくりした。引いたとかじゃなくて文化として。
そもそも事務所に入った日なんてなんでみんな知ってんだ?!というのもあったが、でも誕生日よりもいっそう「この道を選んでくれてありがとう」感がこみ上げる。最高の日だね……(そしてオタクになっていく——)
最後に、ちょっと重めのことを赤裸々に。
【⑩真実も未来も誰にもわからない】
去年の夏ごろハマったので……自分でもなんともお察しの激動の時代にハマってしまったと思う。結婚間近だなんだというネタが週刊誌で書かれたり、やってはいけないことをしてしまったり。20年一緒にいた人たちと道を分かつ決心をしたり、裏方に回り表には一切出ないという決断を下したり。これらはすべて脚本もシリーズ構成も存在しない。誰かが描いたストーリーではない。何が起こるかなんて、誰にもわからないのだ。
アニメや漫画で事件が起こっても、作品によっては「でも生きてるんでしょ」とか「でも戻ってきてくれるんでしょ」みたいな確信にも似た期待がある。もちろん突然推しが死んだり闇堕ちしたりすることはある。でもそれって作者によってあらかじめ決められてることであって、あくまで"筋書き通り"な展開なのだ。ストーリーの中で生きる人間に、決められた未来はひとつだけ。物語と割り切れば、受け入れられることも多かった。
でも現実を生きる人間は違う。何が起こるか、どんな決心をするか、どんな未来へ進むのか誰にもわからない。必ずハッピーエンドで終わるとは限らない。悲しい終わりを、作者のせいにもできない。突然開頭手術してましたぜと言われてあたま……開いたんか……と心がガシャガシャになった。設定とかじゃなくて、まじで頭開いたんだ……髄膜種ってなんだ……?とかめっちゃ調べたもん……。
そして早送りができない。気づけば~10年後~みたいに時が経ってないし、受け入れがたいニュースのあとは、絶望の夜が続くことだってあるのだ。だがそれは自分だけじゃなくて、画面の向こうの彼らも同じ。ともに成長し時が流れて変化したりしなかったりする姿を追えるのは、生きてるからこその楽しみでもある。
生きてる第三者の人間に独白は存在しない。ラジオや雑誌で語っても、それが本心なのかは誰にもわからない。色んなものを見て聴いて、私たちは勝手にグループ像や人間像を構築していくけれど、正しい解釈は本人にしかわからないのだ。伝えてくれている言葉を信じるしか私たちに方法はないけれど、彼らが”見せたい自分”は必ずしも本当の自分と同じではないだろう。
でも私はそれでいいと思ったし、それが良いと思った。本当のことを知りたい気持ちはあるけれど、それでも”こう見てほしい”、”こうありたい”彼らの像を追いかけたい。
そうして一生懸命走り抜ける彼らは、本物の一等星と同じくらい、眩しくて明るくて、輝かしいものだと知ったから。
偶像の意味を持つ"idol"という言葉を彼らの職業の名前にした人、一緒に酒飲みたい
生きてる人間を好きになることは、思っていた以上に楽しいし、一方で精神がすり減る。だが限りなくいまを生きようとする姿は、フィクションの世界では出逢えないような感動を私たちに与え、魅了するのだろう。